かねてから、目標にしていることがあります。
浴衣や着物を一人で着られるようになりたい。
去年の5月ごろは、YouTubeをみながら、すこしだけ浴衣の着付けのお稽古をしていました。
思い出す、太宰治の『葉』の冒頭。
“死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。”
この冒頭の文が好きだ、という人はたくさん見かける気がします。
希死念慮とまではいかなくても、少なくともみんな、大なり小なりの様々な不安を抱えて生きるからかな、と思います。
私のアパートのクローゼットには、紺色の浴衣が一反しまわれています。
中古だけど、自分で選んで、自分のお金で買った浴衣。
あれを着られるようになりたい。
着られるようになったら、浴衣で少しお出かけしたい。
夏までがんばりたい、と思いました。