花を待つ

 

昨日は卒制展に行き、今年度の作品をひとつひとつ拝見していました。

 

去年は最終日のお昼から行ったのですが、どれも素晴らしい作品ばかりで、あっという間に時間が過ぎ、気がついたら夕方の閉場時間になっていたのを覚えています。

 

とても半日では足りない、ああ、もっとじっくり見たかった…と後悔と反省をしたことを生かし、今年は一日中まわることができるよう、朝のうちに入館しました。

 

学生や学生の創作活動とは少し離れた部署にいる私にとって、卒制展は「学生のみんなの作品を見られる場所」というだけでなく、「日頃の私が、どんなひとたちの創作活動や学びを支えているのか」を知ることができる場所でもあります。

 

また、うまくいえないのですが、学生の作品に触れた時、作品を通して「プロを目指す人としての学生の表情」が浮かび上がり、それがまっすぐな光となってこちら側を照射してくるように思えるのです。

 

 

そのことが、非常にうれしく、また、貴重な経験をさせてもらえることに背筋が伸びる心地がする瞬間なのでした。

 

 

一つ一つの作品を見ていると、学生の皆が、切出刀のように鋭い視線で、作品に向き合い続けている様子が思い浮かぶにも関わらず、その一方で、日頃、事務局をたずねてくる時のどこかあどけない印象の表情も、なぜか一緒に思い起こされるのが少し不思議でした。

 

その度に心にじわっと広がる暖かい気持ちを、大事にしよう、と思いながら反芻していました。

 

 

ひとつひとつの作品に惹き込まれるようにみている間に、空腹を忘れ、それでも足も眼も止まらず、今年も気がついたら夕方。

 

圧倒的な熱量に呑み込まれるような体験をしながら、卒制展会場を後にしました。

 

ああ、幸せな時間だったなあ。

 

また来年も、とてもとても楽しみにしています。